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怪物はささやく

「怪物はささやく」という小説を読む。

その挿絵だがものすごく不気味。
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内容は本の題名とイラストからは想像出来ないけど、実はとっても切ない癒しの物語。

13歳のコナーは母さんと二人暮し。 母さんと離婚した父さんは外国で別の家庭を持っている。 その母さんが重い病気(明かされていないがおそらく末期ガン)にかかり、 入退院を繰り返す日々が続く。 それだけでも陰鬱な気持ちとなるコナーだが、 交友関係は複雑だ。

とても厳格でコナーとは気の合わない祖母。
母の病気を知って腫れ物にさわるように接するクラスメイトと教師たち。
なぜかコナーを執拗にいじめる優等生であるハリー。
コナーを気遣う幼馴染のリリー。
しかしそのリリーはコナーにとっては、
みんなに母の病気を喋った憎むべき相手。

コナーは眠っていると繰り返し悪夢をみるようになる。
決して誰にも言うことの出来ない悪夢を。

そんなある日の深夜12時7分(この時間の意味は最後の最後で明かされる)、
恐ろしい怪物がコナーのもとを訪れる。
怪物はコナーの家の裏にある墓地に佇む大きなイチイの木の化身であった。
怪物はコナーにこう告げる。
「これからお前に三つの物語を聞かせる。
 そのあとお前が第四の物語としてお前の真実を私に話すのだ」

リアルな現実と夢現な怪物の場面が交差するように物語はすすみ、
次の展開が気になり一気読みした。
正直、怪物の語る物語については、
(年端もいかない切羽詰まった子供に禅問答のような話をしてどうする怪物よ!)
とも思ったが、リリーがコナーに渡すたった四行の手紙や、
ラスト手前の病室でのコナーと母さんの会話に少しウルウルときた。

ヤングアダルト向けに書かれた小説らしいが、
読み手によってこの物語の感想はずいぶんと変わるだろう。

少々ひねた現代っ子はハリー的な。
まだ純真な心が強ければリリー的な。
子供をもった親なら優しい母さん的、もしくは優しいけどずるい父さん的な。
自分はコナーのような葛藤はなかったけど、
病院と家を行ったり来たりした父親の姿が少しダブった。

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怪物はささやく


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