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「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」(上・中・下巻、こうの史代著、双葉社刊)。

ときは昭和18年~。
広島郊外の江波から呉に嫁いだすずという女性の物語。

呉といえば当時、東洋一の軍港、日本最大の工廠があり、
戦艦大和もここで建造された。

上・中巻では戦中であってもどこかのんびりしていて、
平凡な庶民の生活が、
ほのぼのとユーモアたっぷりに描かれている。

そして呉大空襲、広島への原爆投下を扱った下巻で、
果たして主人公達がどういう運命を辿るのかが、
この作品の最大のテーマとなるが、ここでは書かない。

なるべく先入観のない状態で、
この作品を読んだほうがより楽しめる気がするから。

でも、面白そうと思わないと、
読んで見る気にはならないわけで、
それを他人にどのように伝えればよいのやら・・・。
う~ジレンマ!

そこでここで下手なレビューを書くよりも、
この作品のテーマを素晴らしい文章で紹介しているサイトがあるので、
そちらを紹介します(ネタバレ部分は反転文字になっています)。

オールタイムベスト「この世界の片隅に」

この作品は非常に情報量が多く、
また独特な構成をしているので、
さらりと読んだだけでは意味のわからないことが多い。

しかし何度も読み返してみると、
この場面とあの場面がここでつながっているのか!
といったことを発見することができる。
最終話のエピソードとあとがきにある挿絵。
最後の最後、救いのある余韻が味わえた。

Photo

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コメント

この人の作品は「夕凪の街 桜の国」だけ読んだことがありまして、「この世界の片隅に」は書店に平積みにされているのが数日前から気になっておりました。
そこへこちらのブログでのご紹介。
昨日の仕事帰りに早速購入し、一気に読んでしまいました。
相変わらず、ほのぼのとしたタッチの絵柄なのにヘビーな内容…。
主人公が健気なだけに、余計に読み進めるのが辛くなってしまいます。

また、今作ではファンタジー要素の強い小編が織り込まれていますが、単なる閑話休題的なものではなく、後々意味を持ってくるのですね。
急いで一度だけ読んだだけなので、まだまだ意味を把握できていない部分がたくさんあるものと思われます。

とりあえず、「夕凪の街~」よりは救われる内容になっているので、安心して再読できそうです。

投稿: ライデン | 2009/05/21 23:26

ライデンさん
「夕凪の街・・・」は、
「自分だけ生き残ってしまった」
という主人公の罪悪感を重く扱っているのに対して、
「この世界の片隅に」では、
「よう生きとってくれんさったね」
という台詞にあるように、
人が人に対して優しいんですよね(出てくる人みんな)。
それで両作品、舞台もテーマは似ているのに、
印象はかなり違います。

座敷わらしのエピソードがつながったときは、
「おお!」と素直に感心しました。
とあるエピソードにつながることが、
それ以前にさらりと書き込まれていたりします。
ただ未だに自分も何度読んでも、
意味不明のシーンもありますが。

自分が一番、印象深かったのは、
戦災孤児の物語でした。
本来なら親の愛情に守られて、
人生で一番、安全で無邪気でいられる時期なのにと、
かなりくるものがありました。
それだけにあの挿絵でホロリ。

最近は親が子どもを、子どもが親を、
という事件が多いですが、
せっかくああいう時代を乗り越えたのに、
もったいないな~と思います・・・。


投稿: ぽうせ | 2009/05/22 01:33

二回目を読み終わりました。
あとがきの挿絵の子供たちに救われます。

ほとんど接点の無いまま結婚をした二人が、紆余曲折を経て
絆を深めていく過程が見事です。

〝座敷わらし〟は実在したとして、〝鬼いちゃん〟は?
現実と空想の線引きが難しいですね。
まあ、全てを明確にしたいなんて、野暮なことは言いませんが。

隣保館の横で行き倒れになったという刈谷さんの息子が、
わらじを編んでいるときに既に描かれていたことに驚きました。
リヤカー引いているときに立ち止まったのも、そういうことだったのですね。

上巻のP35・37が、P53・55と対になっているのも、初めて気付きました。

投稿: ライデン | 2009/05/23 18:11

ライデンさん
ストーリーもすばらしいですが、
書き込み量もすごいですよね。

ライデンさんのご指摘以外では、
キノコ雲が立ち上る空に、
小さく広島から飛ばされた障子が書かれていたり。
下巻の草津から江波に舟で向かう場面で、
なぜやりとりがぎこちないのかがわからず終いです。
鬼いちゃん=ばけものは非現実のままでしたが、
読書の想像に任せるということで、
あれはあれでよかった気がします。

そのうち「夕凪の街 桜の国」のように
ドラマ化されるかも知れませんね。


投稿: ぽうせ | 2009/05/23 20:22

おお!、確かに障子が飛んでますねえ。

船上の人達の態度ですが、確かに私も気になっておりました。
江波でもそうだったように、すずを他の誰かだと思ったのでしょうか?

実写だと、この作品特有の魅力を再現するのは難しそうですね。

投稿: ライデン | 2009/05/23 22:31

実写になると、まったく別物になる可能性大ですね。

そういえば映画「夕凪の街桜の国」、
レンタルを借りようと思いつつ未見のままです。
なんだか漫画のイメージが壊れそうで・・・。

投稿: ぽうせ | 2009/05/27 00:57

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