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「新世界より」

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貴志祐介著「新世界より」上下巻を読了。

ドヴォルザークの新世界はアメリカ大陸を指すが、
この作品の新世界とは1000年後の日本が舞台。

21世紀の初頭、超能力(のちに呪力と呼ばれる)を持った新人類が出現。 新人類と旧人類との凄惨な戦いの末に、 新人類が勝利し旧人類は駆逐される。 しかしそれらの戦いによって多くの人間は死に絶え、 地球上の生態系も大きく変わる。

新人類の子孫たちは各地に小さな町を形成し、
友愛を基調とした平和な世界を築いていた。
しかしふとしたことから主人公は、
その平和がいかに作為的につくられたものかを知ってしまう。
やがて平和であった世界は・・・。

神のごとき力を発揮する呪力。
平和を司る攻撃抑制と愧死機構。
人間に使役する高い知能をもつバケネズミたち。
旧世界の対超能力者用兵器。
世界を破滅に導く悪鬼と業魔の存在。

想像力を掻きたてられるキーワードが続々と登場し、
1000ページを超える長編にも関わらず、
なんと1日で読んでしまった。
特に「反乱」が物語の中心となる下巻は怒濤の展開。

どこかでみたような要素が数多く見受けられるのもこの作品の特徴で、読み進めている途中、「AKIRA」「猿の惑星」「北斗の拳」「風の谷のナウシカ」「ヒトラーの予言」などが思い浮かぶ。
特にナウシカが原作のなかで否定した世界が、この「新世界」のように思えた。

歴史・知識の伝承について妙にいびつだったり、
人物描写がちょっと甘い感じもするが、
久々に夢中になって読むことのできた作品だった。

2008年日本SF大賞受賞。

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