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「センス・オブ・ワンダー」

Senseofwonder

自然は沈黙した。うす気味悪い。鳥たちはどこへ行ってしまったのか。みんな不思議に思い、不吉な影におびえた。裏庭の餌箱は空っぽだった。ああ、鳥がいた、と思っても死にかけていた。ぶるぶる体を震わせ飛ぶことも出来なかった。春が来たが、沈黙の春だった・・・。

アメリカの海洋生物学者であったレイチェル・カーソンの著作「沈黙の春」の冒頭の一節だ。
「沈黙の春」は農薬(すべての農薬ではなくDDTなど特定の農薬)が食物連鎖によって、いかに自然界そして人間に致命的な結果をもたらすかを警告したもので、世界で最初の大規模な環境運動のきっかけとなった本としてあまりにも有名。

カーソン女史は「沈黙の春」を執筆中に、不治の病に自分が冒されていることを知る。
そして最後の作品として書かれたのが「センス・オブ・ワンダー」という作品だった。

この作品では「沈黙の春」の内容とはうってかわって、カーソン女史のまだ幼い姪の息子であるロジャーが、森や海辺といった自然と触れ合う様子がほほえましく綴られている。
この本のなかで「不思議なもの(未知なるもの)に対して驚嘆する感性」のことを「センス・オブ・ワンダー」と表現されている。

「沈黙の春」の発表後、世間での反響は大きく、DDT使用に関して賛成派、反対派の激しい論争が繰り広げられた。カーソン女史のもとにもDDT賛成派から、様々な誹謗・中傷があったと聞く。病を抱えた身であったカーソン女史の心労もさぞ激しかったことだろう。

そんなカーソン女史が、この「センス・オブ・ワンダー」をどうして自分の最後の作品に選んだんだろうか。自らが人々に本当に訴えたかったことは「警告」ではなく、ささやかな「願い」だったのではという気がする。

「センス・オブ・ワンダー」、こう締めくくられている。

自然にふれるという終わりのないよろこびは、けっして科学者だけのものではありません。大地と空、そして、そこに住む驚きに満ちた生命の輝きのもとに身をおくすべての人が手に入れられるものなのです。

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コメント

レイチェル・カーソン。世界で始めて環境問題を唱えたほんですね。
すばらしい学者だと思います。
しかし、最近の環境問題はなにかおかしいものがありますよね

投稿: アネモネ太郎 | 2007/09/30 00:29

マスコミの報道姿勢についてでしょうか?

中国産食品にしろ地球温暖化にしろ、
マスコミ報道にはなにかしら偏りを感じます。
どこまでが真実なのか?
他にも危ないものがあるのに
意識的に報道されていないのでは?
などなど。

でも西日本の亜熱帯化は、
どうも確実に進行しているようで不気味です。


投稿: ぽうせ | 2007/09/30 21:23

環境にいい といううたい宣伝で 商品を大量生産する企業
もね   

投稿: アネモネ太郎 | 2007/10/01 00:22

二酸化炭素排出量が従来よりも少ないというので、
「環境に優しい車」と表現するのはおかしいですね。

「今まで子供をムチで叩いていたが、
これからは丸めた新聞紙で叩くようにする」
という親を子供に優しくなったというようなもんです。

投稿: ぽうせ | 2007/10/01 01:31

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