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「父親たちの星条旗」

時間がなくてなかなか劇場に足を運べなかったが、
ようやく「父親たちの星条旗」を観る。

クリント・イーストウッド監督による硫黄島二部作の1作目にあたる。

硫黄島は小笠原諸島に位置しており、かっては一般住人も生活していた。
第二次世界大戦中すべての住人は疎開し、日米軍による激しい攻防戦が繰り広げられた。
サイパン、グァムを陥落させた米軍が日本本土空襲の最後の足場にすべく、硫黄島に侵攻したのが1945年2月のこと。
米軍は小さな島である硫黄島を圧倒的な物量差によって、当初は5日間で攻略できると踏んでいた。
しかし日本軍は地下陣地を構築し島全体を要塞化しており、戦法も安易な突撃をせず徹底的な持久戦を展開したことにより日米双方に多大な死傷者を出しながら、攻略には1ヶ月以上かかった。
組織的な戦闘が終結したあと、最後の日本兵が投降したのは終戦から4年たった1949年というエピソードもある。
現在の硫黄島は自衛隊の管轄下にあり、一般人が上陸することは出来ない。

さてアメリカからみた硫黄島として描かれた本作。

硫黄島・摺鉢山に星条旗を掲げる6人の米兵の写真。 この6人のうち生き残った3人の半生を中心に映画は展開する。 写真が国民に勝利をイメージさせるとプロパガンダとして利用され、3人は客寄せパンダとして国内でのイベントを転々とする。 しかしその間も、硫黄島での戦いの記憶がフラッシュバックする・・・。

盛り上がるストーリー展開も、泣けるような感動もない。
さりげなく、そして恐ろしくリアルな戦闘シーン(自決した日本兵の描写にはちょっとグッときた)。
まるでドキュメンタリー映像をみているようだ。
映画的な楽しみを求めるのは、この作品の意図することではないのだろう。

「戦争に英雄はいない」

映画のテーマはこれにつきる。
戦争映画にありがちな安易な感傷を排除し、
自国の政治的な暗部をさらけ出した監督の姿勢にとても好感が持てた。

エンドクレジット終了後、2作目「硫黄島からの手紙」の予告編が流れた。
1作目では姿のみえない敵としか表現されていない日本兵が、
果たしてどう描かれているのかとても興味がある。

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