« 本格的に | トップページ | ワニ料理 »

もうひとがんばり!

映画「ローレライ」を観た。

映画は映画、原作は原作と思いつつ、ちょっとその違いについて・・・。

まず原作にある田口兵曹長達が南方で体験する飢餓地獄や、原爆の犠牲となるおケイさん、伊507の最期・・・などの目を背けたくなる悲惨な場面には、恐らく単なるエンターティナーにしたくない、戦争を正面から描きたいとの作者の想いがあったのだろう。映画ではそういったえげつないシーンは、ほとんどが省かれており、戦争映画ではなく、純粋にエンターテイメント映画になっている。

映画なのでそれ自体はいいんだけど、ただでさえアニメ的な設定が目立つのに、人物が平坦なマンガっぽいキャラクターになってしまっていた。もっと生身の人間らしさを感じさせる内面的な表現が欲しかったな。特に浅倉大佐の悪人ではなく根っからの善人だった故に戦争によって歪んでしまった部分にはかなり共感をしていたのに、映画の表現では思い込みの激しいただの変な人になってしまっている。
それでも日本の特撮映画としては、トップレベルの完成度で、そういう映画としては楽しめた。

特撮(メカはいいけど、背景がモロニセモノ)をもうちょっとがんばって、人物達にもっと共感出来ていたら、大傑作になっていたかも知れない。

あと個人的好みで、映画のエンドロールでもいいから、読者サービスに「椰子の実」の歌を流して欲しかったな~。
そうそう、前に映画には出てこないと書いたフリッツらしき人物が、パウラの回想シーンにちらりと出ていた。
これだけかい!って感じだったけど。

原作の記事

|

« 本格的に | トップページ | ワニ料理 »

映画れびゅー」カテゴリの記事

コメント

ぽうせさんの書かれてる事を読んで「うんうん」という感じです。
クーデターとかも原作ではかなりの山場だったのに、映画ではいつの間にか始まって終わるという感じでしたもんね。
「椰子の実」は全然使われてませんでしたね。「モーツアルトの子守歌」もステキでしたけど・・・
フリッツはホントに一瞬だけでしたね。ちょっと悲しかったです(苦笑)

投稿: ゆー | 2005/03/24 18:28

あの長大な原作を2時間に収めることに、そもそも無理がありあます。
「ロード・オブ・ザ・リング」みたいに、より詳しく登場人物の内面に迫った未公開シーン1時間追加バージョンがあればみてみたいです。でも、映画を観る限りいっぱいいっぱいって感じで、そんな余裕ある撮影はしていないでしょうね。

投稿: ぽうせ | 2005/03/25 00:27

映画は見ていないのですが、原作のイメージを大切にしたい気持ちが湧きおこってしまいました。エブナー少尉とパウラの兄妹にまつわる心の葛藤と浅倉・田口の葛藤の違いが描けていればとてもヒューマンドラマになり、ここに征人が加わり純潔純愛の清さがより一層戦争の切なさが描けるのではと期待していました。

投稿: kazu | 2005/05/08 00:25

映画でもヒューマンドラマ的な場面がありますが、
とってつけたような薄っぺらな印象を受け、
逆に興ざめしてしまいました。

どの作品にも言えますが戦争と安易なヒューマニズムの組み合わせは、人の死を売り物にするための免罪符のように思えます。

投稿: ぽうせ | 2005/05/08 01:01

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65730/3412753

この記事へのトラックバック一覧です: もうひとがんばり!:

« 本格的に | トップページ | ワニ料理 »